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地雷の基礎知識
1.地雷の埋設数 2.地雷の特徴
3.地雷の被害 4.地雷の種類
5.対人地雷禁止条約(オタワ条約) 6.地雷の生産
7.地雷の貯蔵 8.地雷の輸出入
9.地雷の使用 10.日本のとりくみ
地雷の埋蔵数...
カンボジアの地雷原
数年前までは1億1000万〜1億5000万と言われていたが1998年のアメリカ国務省の報告書“Hidden Killers”によると、6000万〜7000万個とされている。

これは、地雷の知識が深まり、より正確と思われる数字がでてきたため、過去の記録から深い分析が進んだためであり地雷除去が進んだというわけではない。

また、地雷は数の問題ではなく、どれだけの人が実際に影響を受けているかが問題となる。
主な地雷埋設国
アンゴラ(アフリカ) 約1,500万個
アフガニスタン(中東) 約1,000万個
イラク(中東) 約1,000万個
カンボジア(東南アジア) 約400万〜600万個
ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(欧州) 約300万〜600万個
ベトナム(東南アジア) 約350万個
クロアチア(欧州) 約300万個
モザンビーク(アフリカ) 約300万個
エリトリア(アフリカ) 約100万個
スーダン(アフリカ) 約100万個
ソマリア(アフリカ) 約100万個
エチオピア(アフリカ) 約50万個
※地雷が埋設されている国の数:約72ヶ国
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地雷の特徴...
1.無差別性
 ・殺傷する相手を選別することができない
 ・被害者の80%は非戦闘員、その3割は14以下の子ども
 →被害者全体の24%は14歳以下の子ども

2.半永久性
 ・戦争が終わっても地雷は、そのまま20年でも30年でも地中のなかで生き続ける
 ・50年以上前に埋められた地雷での被害も毎年数件〜数十件報告されている(ポーランド・エジプトなど)

3.非人道性
 ・地雷は殺すためではなく、手足を失わせることを目的とした兵器
 ・敵軍の進行を遅らせるために殺さない
 ・死体は置き去りにできるが、傷ついて苦しんでいる味方は置き去りにできない
 ・何人かの隊員で負傷兵を自陣に帰還させなければならないため、殺すよりも相手の戦闘要員を減らすことができる。また、味方が足を吹き飛ばされ苦しんでいるのを目の前で見せることで、相手の戦意を喪失させる。

4.安価
 ・最も安い地雷は3US$程度でできる
 ・高価な兵器を買うことが出来ない、途上国・反政府ゲリラにとっては手頃な兵器
 ・被害に苦しんでいる国のほとんどは途上国で、紛争終結後の除去資金も自国で捻出できないケースが多い(自ら地雷を生産している国はほとんどない)
 ・このような理由により、除去も遅れ地雷による被害者が増えていく

こういった特徴を持つ地雷は「貧者の兵器」・「貧者の守護神(poor man’s guard)」・「悪魔の兵器」・「卑怯者の友達」・「疲れを知らない門番」・「スローモーションの大量殺戮兵器」・「眠れる兵士」など、さまざまな別称を持っている。.
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地雷の被害...
毎年2万5千人〜2万7千人が被害に遭っている。これは、1日あたり70〜80人、実に22分に1人の割合となる。

・被害者の約50%は死亡、生存しても四肢の一つはうしなうことになる。
・子どもの死亡率は大人と比べてきわめて高い
・手足切断者の数はカンボジアでは234人に1人・アンゴラでは2万人を越えている
・被害者の治療・義足・義手などの生涯の経費は一人あたり3千ドル以上となる
・被害の多い途上国では、不衛生な処置による感染症などによる死亡のケースは全体の50%を超える
・事故後6時間以内の処置が重要だが、6時間以内に病院にアクセスできる比率は30%(アンゴラでは10%以下)

被害者増加の原因
東西冷戦終結により、米ソ代理戦争が終わり、避難民が自分の土地が地雷原となっていることを知らずに戻り、地雷被害に遭うケースが多い。

南北問題

地雷を製造しているのは先進国。しかし自ら地雷被害に苦しんでいる国は少ない。被害に苦しんでいる国のほとんどは地雷を製造していない。
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地雷の種類...
全部で約340種類

対戦車地雷=ATM Anti-Tank Mine
・第1次大戦時にドイツが開発
・サイズ:半径30〜50cm
・重量:20kg前後

対人地雷=APM Anti-Personal Mine
1.爆破型地雷(BLAST MINE)
・直径:5〜15cm
・どのくらいの重さで爆発するかは種類によって異なる
・上辺部への圧力で起爆装置が作動、信管に通電して本体の爆薬に引火
・構造が単純で大量生産しやすい

2.破砕型地雷(FRAGMENTATION MINE)
・地中に埋めず地表の物陰などに隠して使用
・爆発で地雷本体が細かく砕けて周囲20〜30mに時速100kmで四方に飛び散り、その破片で標的を殺傷する
・種類によっては内部に鉄くずや鉄球が詰めてある物もある
・紐を安全ピンにつなげておき、標的が紐に足をかけると安全ピンがはずれ起爆装置が作動

3.跳ね上げ型地雷(BOUNDING MINE)
・地雷本体が地面からはね上がり地表から1〜2m飛び上がり本体が爆発
・他の地雷とは違い、人の胴体・内蔵・頭部に被害を与える
・人の生命を奪うことが目的、車両に乗っている人間にも怪我を負わせることができる

4.散布型地雷(SCATTERABLE MINE)
・他の地雷とは設置方法が異なり、航空機やヘリコプター、地上の車輌から散布する地雷
・ロケット弾やミサイルの中に地雷を詰めて、爆破の勢いで広範囲に地雷を散布することもできる
・それぞれが小さいため、気づかずに踏んでしまう
・民間人を対象にした蝶々型のピンク色の地雷、人形型の地雷もある

5.Smart Mine(⇔Dumb Mine普通の地雷)
・自己破壊装置or自己不活性化装置付きの地雷のこと
・一定時間後、自爆もしくは無力化する
→しかし、これが正しく動作する確率は7割以下という報告もある。本当に無力化しているかどうかは爆発させてみないと分からない。また、自爆時に付近に人がいた場合、その被害に遭う。
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対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)
一.対人地雷の使用、開発、製造、取得、備蓄、保有、移転の禁止
一.地雷探知、廃棄の技術開発や訓練のための保有、移転は、必要最小限の数なら認める
一.締約国は、備蓄地雷を条約発行後4年以内に、埋設地雷を10年以内に廃棄
一.毎年、備蓄、埋設地雷の数量、型式、埋設場所などを国連に報告
一.締約国が他の締約国の条約遵守に疑いを抱いたときは、国連を通じて説明を求めることができる
一.締約国会議などで過半数の賛成があれば、違反の疑いがある国に調査団を派遣できる
条約発効までのあゆみ
1996年10月:
カナダが対人地雷全面禁止条約交渉を賛同する国のみで進める方式(オタワ・プロセス)を提唱

1997年9月:
オタワでの会合で対人地雷全面禁止条約を採択

1997年10月:
地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)と世話人ジョディ・ウィリアムスさんのノーベル平和賞受賞が決まる

1997年12月:
オタワでの署名式で日本を含む121ヶ国が署名

1998年9月:
ブルキナファソが批准書を国連に委託、批准国が規定の40ヶ国に達し、99年3月に発効が決まる。30日に日本が批准(45番目)

1999年3月:
条約が発効

オタワ条約の調印、批准
オタワ条約は、対人地雷の「使用」「生産」「貯蔵」「移転」の禁止をした条約。また、被害者への治療、リハビリテーションなども積極的に行うと明記されている。例外として、地雷探知・除去・廃棄技術の開発・訓練のための保有は認められている。

「ランドマインモニター」制度
締約国の条約履行状況を独自に調査・分析し、非締約国の情報も集める。

なぜこの制度ができたか?
条約交渉の中で、条約上の義務を遵守しているかどうかを検証するための独立した査察機関は定められなかった(多くの賛同国を得るため)、この欠陥を補うためのものに考えられた。未加盟国への「加盟圧力」にもなる。

オタワ条約に調印している国:147ヶ国(※参考:国連加盟国は185ヶ国)
批准している国:134ヶ国
※国連常任理事国5ヶ国中3ヶ国が調印していない(2003年5月現在)

調印したが、未批准の国
ハイチ、ギリシャ、ポーランド、ウクライナ、エチオピア、スーダン、インドネシアなど

未加盟地雷生産大国:アメリカ
「朝鮮半島に配備できる代替兵器の開発」を条件に2006年までに署名する方針
安全保障上必要:中国・ロシア
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地雷の生産...
地雷生産国(16ヶ国)
ミャンマー・中国・キューバ・エジプト・インド・イラン・イラク・北朝鮮・韓国・パキスタン・シンガポール・ロシア・ユーゴスラビア・トルコ・アメリカ・ベトナム
※これらの国の中には、この数年間まったく作っていない国、特定の地雷を作っていない国もある。しかし、生産を「禁止」しているわけではない。

かつて地雷を生産していた国(38ヶ国)
日本・台湾(非調印国)・フィリピン・タイ・カナダ・ニカラグア・ブラジル・アルゼンチン・コロンビア・チリ・ペルー・アルバニア・ベルギー・イギリス・スイス・ボスニアヘルツェゴヴィナ・フィンランド(非調印国)・スウェーデン・スペイン・クロアチア・チェコ・ルーマニア・ポルトガル・デンマーク・オランダ・ノルウェー・ポーランド・フランス・ドイツ・ブルガリア・イタリア・ギリシャ・ハンガリー・南アフリカ・ウガンダ・ジンバブエ・イスラエル(非調印国)・オーストラリア

地雷生産国と見られるが、否定している国(4ヶ国)
ベラルーシ・キプロス・ウクライナ・ベネズエラ
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地雷の貯蔵...
・推定では1億個だったが、現在は108ヶ国、2.5億個が貯蔵されているとみられる。
・オタワ条約批准国は、貯蔵されている地雷を廃棄しなければならないため、調印国の地雷は廃棄中もしくは、廃棄計画中。
・例外的に訓練目的の場合は、地雷を保有することが出来るため、なかには数万個単位で地雷を持ち続けようとしている国もある。

主要地雷貯蔵国

中国 推定1億1,000万個
ロシア 推定6,000万〜7,000万個
アメリカ 推定1,100万個
ウクライナ 推定700万個
イタリア 推定700万個(※廃棄中)
ベラルーシ 推定数百万〜数千個
インド 推定400万〜500万個
スウェーデン 推定300万個(※廃棄中)
アルバニア 推定200万個
韓国 推定200万個
※アメリカは、オタワ条約に調印しているドイツ・ギリシャ・イタリア・日本・ノルウェー・スペイン・イギリス、7ヶ国のアメリカ軍基地に対人地雷を貯蔵している。
※日本は、推定100万個以上を貯蔵していたが、2003年2月までに廃棄した。
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地雷の輸出入...
過去に対人地雷を輸出していた国は、34ヶ国

貿易状況
・地雷は登録も許可もなく製造可能
・製造するための技術も決して高くない、模倣、秘密生産も可能
・自国で製造を禁止しても他国に工場を移転して製造可能
・自国で隠れて部品を製造し、他国で組み立てて輸出することも可能
→これらの理由で貿易状況は不透明

地雷輸出入を停止した国および、その内容
【オタワ条約に調印】
オーストラリア・アルゼンチン・ベルギー・ボスニアヘルツェゴヴィナ・ブラジル・ブルガリア・カナダ・チリ・チェコ・フランス・ドイツ・ギリシャ・ハンガリー・イタリア・ポーランド・ポルトガル・ルーマニア・南アフリカ・スペイン・スウェーデン・イギリス

【オタワ条約非調印・輸出を禁止】
アメリカ

【オタワ条約非調印・輸出を一時停止】
イスラエル・ロシア・パキスタン・シンガポール

【オタワ条約非調印・「輸出停止」声明を発表】
イラン・中国・ベトナム・キューバ・ユーゴスラビア・エジプト

【オタワ条約非調印・輸出を停止せず、今なお地雷を生産】
ミャンマー・北朝鮮・イラク
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地雷の使用...
1997年12月〜1999年3月までに対人地雷が使用された国
アンゴラ・ジブチ・ギニアビサウ・セネガル・ソマリア・ウガンダ・コロンビア・アフガニスタン・ミャンマー・スリランカ・グルジア・トルコ・ユーゴスラビア・レバノン

1997年12月〜1999年3月までに未確認ながら、地雷の使用が疑われた国
コンゴ・エリトリア・スーダン・アフガニスタン・カンボジア・グルジア・タジキスタン
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日本のとりくみ...
オタワ条約批准以前は日本も地雷を製造していた。

地雷関連企業(日本がオタワ条約を批准する前のデータ)
・石川製作所(自衛隊地雷全般製造)
・指月電気製作所
・京セラ米国現地法人
・日立造船(自衛隊対船艇水際地雷・94式水際地雷敷設工事=キャタピラ式水陸両用車)
・富士重工業(自衛隊87式地雷散布装置=ヘリコプタ用空中散布装置)
・日産自動車(自衛隊70式地雷原爆破装置・92式地雷原処理車=キャタピラ式処理ミサイル発射車両)
・三菱重工業(自衛隊92式地雷処理ローラー)
・日立建機(自衛隊83式地雷敷設装置=トラック牽引型敷設設備)
・いすゞコーポレーション(自衛隊道路傷害作業者=舗装道路用オーガなど)

自衛隊もかつて100万個の地雷を保有
日本もオタワ条約を45番目に批准したため製造も貯蔵も不可能となり、2003年2月までに、それまでに貯蔵していた地雷を廃棄した。

平成11年度概算要求における地雷破棄関連予算
指向性散弾調達予算:約3億5,000万円
代替兵器試作部品購入他:約6億4,000万円
地雷破棄費用(22万個分) :約4億4,700万円
その他条約関連を含み合計:約14億8,000万円

無償資金援助(ODA)
除去活動:約8億円
被災者援助:約12億円
※1997年12月にODA予算から、今後5年間で地雷除去および、被災者支援に100億円程度の資金協力をする「犠牲者ゼロ・プログラム」を発表。1999年初めまでで支出や約10億円、うち6割が地雷除去支援に使われた。
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