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ピースボート「旅と平和」エッセイ大賞

 ピースボートの始まりは、東西冷戦という国境を簡単に越えることができなかった時代です。『メディアが伝える一方的な情報だけではなく、現地に行って人々の声に耳を傾けてみたい。海の向こうの国に友だちを作りたい』そんな若者たちの想いと行動が、たくさんの草の根の出会いと、国と国との利害に左右されないつながりを生み出してきました。

 ピースボートの水先案内人であり、ジャーナリストの筑紫哲也さん(故人)は、ピースボートの旅を、「乗り合わせた個人、ひとりひとりが歴史の証人になる旅」と評されています。その旅の原点は、ピースボートが25周年を迎えた今も変わりません。しかし同時に、どんなに特別な体験をしても、それが行動に変わらないと世界を視た意味はないのです。

 そこでピースボートは、旅を通じて世界を学び、未来の国際社会をつくる若者たちを応援するため「旅と平和」エッセイ大賞を創設。旅を通じてあなたがどう変わったのか。また、平和のためにどんな行動をしているのか。あなたの「旅」の体験とそこから得た「平和」への想いを寄せてください。

エッセイ大賞開催によせて(選考委員の皆さんからのメッセージ)

鎌田慧さん若い才能への期待
鎌田慧(ルポライター)

旅は人を鍛えるが、船旅は人を変える。大海の上を流れる無限の時間、そのなかを進むちいさな宇宙としての客船。思いがけない出会いがあり、予期することのなかった発見がある。古来、船旅から多くの作品が生まれた。ピースボートが若い才能を引きだすための支援に乗り出す、というのを聞いて、わたしはその成熟を喜び、全面的に協力することにした。
伊藤千尋さん旅をどう活かすのか
伊藤千尋(朝日新聞記者)

人類の歴史の99%は流浪生活だ、と言われる。人は旅することで賢くなった。このエッセイに期待するものは、上手な文章でも華々しい体験でもない。旅で体験したことをどう理解し、社会にどう働きかけているのか、を私は問いたい。平和は作り上げるものだ。平和に向けて、あなたはどんな形で旅を活かしたのか、活かそうとしているのか、を書いてほしい。

第6回「旅と平和」エッセイ大賞作品募集中

「『旅と平和』エッセイ大賞」もいよいよ6回目。大賞受賞者には、1年間有効の「ピースボート地球一周の船旅・無料乗船券」を進呈いたします。人と出会い、地球に学ぶ、国際交流の船旅にむけて、たくさんのご応募をお待ちしております。
募集テーマ 『旅と平和』 ※エッセイのタイトルは自由
大賞 3名(ピースボート地球一周の船旅 無料乗船券)
  • 無料乗船券は発行日から1年間有効です。
  • 渡航手続費用等諸経費、寄港地プログラム代金などの個人費用は自己負担です。
  • 無料乗船券は、他人に譲渡することはできません。
  • 日本以外の国籍をお持ちの方は、別途手続きが必要となる場合がございます。
  • 船室クラスは、4人相部屋となります。
応募締切 2010年10月29日(金)必着
応募資格 応募締切時(2010年10月29日)に満30歳未満の方
応募方法 1枚目に、タイトル・住所・氏名(フリガナ)・年齢・生年月日・性別・電話番号・職業・公募を知った媒体を明記の上、下記のいずれかの方法で送付してください。
郵送(宛先)
 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1
 ピースボートセンターとうきょう内 「旅と平和」エッセイ大賞係
E-Mail
 essay@peaceboat.gr.jp
発表方法 大賞受賞者には選考委員会より直接ご連絡差し上げます。受賞作品は、2010年12月15日以降に当ホームページにて公表されます。
応募規定 ・字数は2000〜4000字以内にまとめてください
・応募作品はオリジナルかつ未発表で日本語のものに限ります
・参考資料、文献などは必ず明記してください
・応募作品の著作権は選考委員会に属します
・応募作品は返却いたしません
選考委員 選考委員長/鎌田 慧(ルポライター)
選考委員/伊藤千尋(朝日新聞記者)
ピースボートでは、応募者の個人情報を、入賞結果の発表、応募者への次回企画案内及びピースボートがコーディネートする船旅の案内・研究資料として利用させていただきます。また、入賞された方の個人情報は、ピースボートクルーズを企画・実施する旅行会社(株)ジャパングレイスに対し、旅行手続きに必要な範囲内において提供いたします。今後、ピースボートからの案内を必要とされない方は、お手数ですがお申し出願います。

第5回エッセイ大賞入賞者発表!!

大賞 あの日の「ありがとう」/大山みちるさん(19歳)
次点 ・真実を伝える/笛田満里奈さん
・第三の旅/免古地容子さん
第5回エッセイ大賞選評

鎌田慧さん(ルポライター)
 平和について考えるとき、ヒロシマ、ナガサキが大きなテーマになる。
 いまは、ヒロシマ、ナガサキの風化が心配されるようになったので、この二つの都市の悲劇を忘れてはならない。しかし、戦争をヒロシマ、ナガサキの悲惨だけで語ることもまた悲劇を生む、というのが現代的なテーマである。
 加害の歴史を認識しなくては、「国際化時代」などありえない。平和は加害の歴史の記憶をどのように取り戻すか、なくして成立しない。

■大賞 『あの日の「ありがとう」』大山みちる
 米国で直面した現実から考えが深化している。米国では、「パールハーバー」がステロタイプとなっていて、ベトナムやイラクやアフガンの加害が語られないように、加害の歴史を「知らなかったではすまない真実」として、学ぶ時代になったことを告げている。もっとも大事な視点である。

■次点 『真実を伝える』笛田満里奈
 韓国のタプゴル公園の「3・1万歳運動弾圧」の碑を見学したはずだが、韓国人の「おじさん」が説明してくれたことにもっとこだわり、勉強してほしかった。残念だ。筆者の社会的な関心と行動力に期待したい。これからの活動を期待できる。

■次点 『第三の旅』免古地容子
 「日本の子どもたちの多くが、学ぶ意欲も将来の希望も失くしている」現状と公立高校の教員をやめた体験との関連を、もっと突き詰めて書いてほしかった。新しい仕事と生活の報告をこれから書いて送ってほしい。

伊藤千尋さん(朝日新聞記者)
 最終選考に残った作品は(1)年齢の割に確かな経験をし(2)言いたいことの内容を本人がはっきり自覚し(3)伝える文章力や構成力もある、点で共通している。一読して感じたのは「みんな文章が上手だ」という驚きと、この賞も回を増すごとに実力のある応募者が着実に増えているということだ。

 ひときわ目立ったのが大山みちるさんの「あの日の『ありがとう』」だ。広島の原爆資料館を訪れて「アメリカが悪い」と思ったが、身近なアメリカ人は良い人だ。そのギャップを探ろうと、高校生でアメリカに留学し韓国系アメリカ人の家にステイした。パールハーバー攻撃についてどう思うかを正直に書いて学校側から問題視され、ホストファミリーからも朝鮮半島で日本が行った非道を指摘される。そこから「何も知らない」自分に気付いて韓国語も学び、歴史の真実を知る努力をした。辛い思いをし、それに正面から立ち向かっただけに、「教科書に載らない真実を知りたい」という彼女の言葉には強い力がある。

 南アフリカでアパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃に尽くしたネルソン・マンデラは、知性を「政治家の言葉をうのみにせず、知的好奇心をもって自ら真実に迫ることだ」と定義した。まさしくその道を歩んでいる大山さんには、しっかりと世界を見てきてほしい。

 次点の免古地容子さんは南京の記念館を訪れたなどの体験から、平和を考える出発点は国家でなく個人なのだという点に気付いた。高校教師として今の日本の教育のあり方に強い違和感を感じている。教育という観点から世界を見てまわることが彼女にも、日本の社会にも役立つだろうと確信する。

第4回エッセイ大賞入賞者

大賞 被爆者三世の旅/江藤理子さん(23歳)
次点 ・平和はどこにあるのか/小松洋美さん
第4回エッセイ大賞選評

鎌田慧さん(ルポライター)
 今回も旅と平和について考える若い人たちに真摯な論文が多く寄せられた。
 それぞれの外国旅行の体験を通して、たんに知識を得るという旅の仕方ではない、おたがいを知る、理解しあうことの可能性を重視する文章が多かった。知り合うことによって、たがいに殺し合うことがなくなる、という平和のつくりかたが、若者たちのあいだでごくあたりまえの発想になってきていることを知ることができる。
 政府が「国際化」などというまでもない、すでに若者たちは政府の思惑などよりもはるかに深く、独自な交流をはじめている。

■大賞 「被爆三世」江藤理子
 文章が簡潔すぎて、よくわからないところがある。たとえば、15歳で単身渡米した、ということだが、そこにどういうことが伏在していたのか、それがよく分からない。しかし、文章の簡潔さが、書いている事実の背後にある筆者の体験から絞り出されている表現であることを想像させる。文章に漲っている、実践の意欲を買いたい。「私一人では何も変えられない。でも、私は人と人との、小さなプロセスをサポートできる」という自負が、やがて世の中を変える行動につながっていく。そんな予感をふくんでいる。

■次点 『平和はどこにあるのか』小松洋美
 フイリピンの「貧困地区」でのボランテイア活動をしているうちに、豊かさがあると思っていた自分たちの生活よりも、貧しいとおもっていたフイリピンの貧しい地域の豊かさを理解できるようになる。戦争と平和、貧しさと豊かさ、を自分の心の中から見ていこう、という旅へのアプローチは、実践行動を引き出すようになる。

伊藤千尋さん(朝日新聞記者)
 最終選考に残った十編を書いた人は海外生活を経験しNGO活動への意欲も強く、すでに自分の人生を見つけている人も多い。一読して感じたのは三点だ。まず、今さらピースボートに乗らなくても、今の人生をそのまま歩めばいいではないかと思った。第二に、みんな論文を書くのが上手であり、第三に、是が非でも船に乗りたいという迫力が感じられない。いちばん肝心な、そこが欠けている。一口で言えば、内容が軽いのだ。「よく書けました、でも、それだけね」という感じである。合唱で言えば、きれいな歌声だ。そんなものはいらない。下手であっても、この歌を聴かさずにはおかないという意志を見せてほしい。さもなければ、高額な渡航費を自分で稼いでいる人の努力に見合うわけがない。

 その中で気になったのが、江藤理子さんだ。自身が被爆三世で、中学生のとき平和親善大使としてベトナムを訪れ、高校、大学は単身で米国に留学し、中国を訪れて日本の侵略を調査し、卒業後は米国でNGO活動をする。行動力ある彼女こそ今の道をそのまま歩めばいいと思うが、ピースボートの旅で日米のNGOをともに高める役割を期待して大賞に選んだ。

第3回エッセイ大賞入賞者

大賞 あなたに出会えて嬉しい/安田あゆみさん(21歳)
私はもっと世界を愛したい。/山本なお子さん(20歳)
次点 ・朝メシ前の世界一周旅行/山口聡美さん
・おばあちゃんとの旅行/柏倉瑞穂さん
第3回エッセイ大賞選評

鎌田慧さん(ルポライター)
 大賞の安田あゆみさん「あなたに出会えて嬉しい」は、人との出会いによって、こころが柔らかくなっていく自分の体験をよく観察しています。それでも日常にかまけて、また固くなりはじめるのですが、自分の殻をやぶっていこうという姿勢を、外国体験を通して獲得しているようです。「自分が生きていることは、世界とつながっているということだ」という世界観は、これからの活動を期待させます。
 次点の山口聡美「朝メシ前の世界一周旅行」は、旅に出るお金がなくとも、世界を感じ、理解し、行動することができる方法が考えられている。その方法で、認識をふかめながらおかねを貯め、世界に出ればさらに人生がひらけてくる。日々の生活から世界を認識する訓練が必要だ。

伊藤千尋さん(朝日新聞記者)
 大賞の山本なお子さん「私はもっと世界を愛したい。」は、平和について語るためヒロシマについて調べた。しかし、現地に行き被爆者と会って涙を流したことから改めて原爆を調べ直した。自分の「涙の理由」を考え、世界を愛するために世界を知りたいという明確な目的を持って自らを行動に駆り立てた。知識は感情と融合して力となる。これを出発点として行動に出れば体験となり、体験は自信を生み出す。山本さんがピースボートで世界を見たとき、何に心揺さぶられ、どんな行動につながるのか、今から楽しみだ。
 次点の柏倉さん「おばあちゃんとの旅行」は、おばあちゃんを温泉旅行に連れ出した体験を書いた。一見、平和とも世界とも無関係のように見える。だが、平和は身近な個人から語られるべきだ。平和といえば、いきなり国家を語る人が多いが、それは国家のために個人を犠牲にすることにつながる。柏倉さんが優れているのは、おばあちゃんの喜びを原点として身近な人々を幸せにすることを説き、しかも具体的な行動を提案したことにある。
 今回は、前回と比べてレベルがかなり高かった。他の応募作からも、自分の海外体験を踏まえて世界に出て行こうとする姿勢が感じられた。あと一歩だ。

第2回エッセイ大賞入賞者

大賞 該当作品なし
次点 ・世界の日常/藤原枝里奈さん
・ある旅の伝言〜「関係ない」なんて言わないで〜/藤井栄里子さん
・「IMAGINE」〜人の気持ちを想うこと〜/三木達也さん
・「世界を知り 自分を知る」/加瀬ちひろさん
第2回エッセイ大賞選評/伊藤千尋さん(朝日新聞記者)
 第2回エッセイ大賞の応募作品は、全体として「すてきなエッセイを書こう」という姿勢が顕著で、内容の迫力が感じられませんでした。
 ピースボートがこのエッセイ大賞に求めるものは、単なる文学作品ではなく、生きる姿勢だと思います。ただ「美しさ」だけを追い求める文章などは、不要です。文章や表現が下手でも、その内容こそが問われるべきでしょう。次回に期待します。

第1回エッセイ大賞入賞者

大賞 白い国に黒い線、地図の中の×/椎名知里さん(18歳)
平和と「平和」の狭間で/王申冉さん(15歳)
次点 ・旅と平和/桜庭佑里子さん
・平和に届かないと思っている人たちへ/安達茉莉子さん
・世界平和と広島/貫田美喜さん
第1回エッセイ大賞選評「『体験』をどう考えるか」/鎌田慧さん(ルポライター)
 第一次選考を経て、わたしの手許にまわってきた、候補作を読むと、旅をしてひとと交流し、自分が変わる体験を書かれたものが多く、若者たちの視線の真っ直ぐさが、頼もしく感じられた。
 とりわけ、高校生の椎名知里さんの、「白い国に黒い線、地図の中の×」は、元従軍慰安婦との出会いの体験を通しての、ひとに寄り添って話しを聞き、その痛みを想像しつつ、自分たちのいまの生活を見定めようとする姿勢は、こらからの若者達にもっとも大事な視点だと思う。
 中学生の王申冉さんの「平和と『平和』の狭間で」は、修学旅行でのヒロシマ体験を、たんに「見た」だけに終わらせず、深く沈潜して考えるることによって、なにかができるようになる、との思考は、椎名さんと共通する確かさで、両作品を入選とした。
 次点としては、桜庭佑里子さんの「旅と平和」、安達茉莉子さんの「平和に届かないと思っている人たちへ」、貫田美喜さんの「世界平和と広島」の三点がある。
 応募されたひとたちと今回応募されなかったひとたちの次回の作品に期待している。

お問い合わせは...
ピースボートセンターとうきょう 「旅と平和」エッセイ大賞係
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1(10:00〜19:00、日祝休み)
Tel:03-3362-6307/Fax:03-3362-6309/ウェブサイトからのお問い合せはこちら


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