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伝説のバンド「アシン」コンサート
 80年代にフィリピンで絶大な人気をほこり、いま現在でも「伝説」となっているバンド「アシン」のコンサートを聴く。会場には、パヤタスのゴミ集積場で暮らす子どもたちと、かつて日本軍に「従軍慰安婦」とされたマパニケ村のロラ(おばあさん)たちもかけつけ、彼らとの大交流。アシンの歌で踊り、子どもたちと遊び、ロラたちの涙ながらの訴えを目の当たりにする、フィリピンのいろんな顔、そして日本との関わりがかいま見える交流になった。
 アシンの歌には、政治的・社会的メッセージが多く込められている。この日も、一曲目は「地球環境の破壊をやめよう」という意味の歌だった。このあとも、彼らの故郷を題材にして、「共生」のメッセージを歌ったものなどが続いた。
 マニラから車で3時間ほどかかるマパニケ村からは、ロラ(おばあさん)たちがかけつけた。アシンの演奏のあと、ロラたちが壇上にあがり歌いだす。日本の子守歌にも似た懐かしいような旋律だが、「日本軍が村にやってきて、男は殺され、女はレイプされた。何年間もひどい目に遭わされて、心にもダメージをうけた」というような内容の歌だ。歌った後、ロラは「日本政府に『正義』があるのだということを知らしめたい、それだけです」と、涙ながらに訴えていた。
 最初は座って聴いていたのに、いつのまにか音楽に合わせて踊りだす。見わたすと、あちこちに子どもたちと大人たちの混ざったダンスの輪が出来ていた。最後にはみんな混ざり合ってこんな「大騒ぎ」に。ちょっと疲れたらゲームをしたり、折り紙を使ってやっぱり遊ぶ。
 世界中の子どもたちと「手作りの遊び道具」で交流をしようというチーム「もみじの手」。クルーズ出航前に、兵庫県尼崎市の小学生と交流したときに作った凧を取り出した。船内でつくった折り紙と「空を舞おう」というメッセージを添えて、その凧を、パヤタスの子どもたちにプレゼント。
  3時間にも満たない短い時間だったが、フィリピンの人びとのあたたかさに胸打たれた交流会だった。
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