8月31日  ▼平壌2日目・板門店
1945年、第二次世界大戦の終了と同時に南北に分断された朝鮮半島。それから実に55年後にあたる昨年、歴史的な南北首脳会談が平壌にて実現した。
この日は、その「分断」の象徴ともいえる、板門店の軍事境界線を訪問。「分断」と「統一」の意味を考えた。
板門店。奥の建物が韓国側の「自由の家」、その手前の小さな建物は「軍事停戦会議場」で、ちょうど軍事境界線上に立っている。その外側では、境界線を境に南北の兵士がにらみあう。緊張感に思わず鳥肌が立った。
板門店の警備にあたっていた二人の中佐。「今、日本ではどんなファッションがはやっていますか」という質問に「髪型ではこんな感じ」と一人のやや長めの髪の参加者を指すと、ひとりが軍服の帽子をとって短髪を見せ、「じゃあ日本では、おれはもう流行遅れなんだな。見習わないと」 と笑顔をみせた。
会議場内だけは、境界線を越えて「南」側へ行くことができる。 中央にはテーブルがあり、その上に置かれたマイクのラインが、ちょうど軍事境界線上にあたる。これを中心に写真奥が韓国、手前が朝鮮の警備区域。韓国側に入ると、ときおり、韓国兵が窓から中を覗き込んできた。
「南北分断の歴史には日本も大きく関わっています。日本政府には、一刻も早く戦後補償をし、我々の統一に協力してほしいと思います」とイ・グァン・チョル中佐は語った。
ピースフェスティバル
二日目の夕方、平壌市内にある青年会館にて平嬢市民との交流会「ピースフェスティバル」が開催された。水先案内人で、ともに日本人と韓国人の血を引くミュージシャン、朴保バンドと沢知恵さんによるライブのあとは、落語家の古今亭菊千代さんが、朝鮮語での落語を披露。朝鮮側からも、太鼓や踊り、歌など、朝鮮を代表する伝統芸能アーティストが登場、見事な演奏や演技を見せてくれた。
クライマックスは現地の人気バンドをバックに、日朝両市民入り乱れての大フォークダンス大会となった。
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